
イタリアは、地域ごとに個性豊かなスイーツが存在し、それぞれの土地の歴史や文化を映し出しています。旅行先でカフェやパスティッチェリア(イタリアの菓子店)に立ち寄ると、その土地ならではのスイーツに出会えるのが楽しみのひとつ。紅茶好きの私としては、どのスイーツにどんなお茶が合うのかも気になるところです。そんな視点を交えながら、イタリアのスイーツの魅力を深掘りしていきます!
イタリアスイーツの魅力
イタリアのスイーツには、素材の味を活かした素朴なものが多いのが特徴です。フランス菓子のように繊細なデコレーションが施されるものもありますが、どちらかというと、家庭的で親しみやすいお菓子が多い印象。ナッツやチーズ、フルーツなどの自然の恵みをたっぷり使ったお菓子が多く、地域ごとの特産品がスイーツに活かされているのが面白いところです。
私が初めてイタリアを訪れたとき、衝撃を受けたのは、スイーツの食べ方でした。トスカーナ地方の「ビスコッティ」は、そのまま食べるのではなく、甘口ワインに浸して食べるのが伝統的なスタイル。こういった食文化に触れることで、スイーツの味わいがさらに深まると感じました。
代表的なイタリアのスイーツ
1. ふんわりとした口どけの大人のスイーツティラミス
ティラミスは、日本でもよく知られているイタリアのデザートですが、本場の味は格別です。エスプレッソを染み込ませたビスコッティ・サヴォイアルディ(フィンガービスケット)と、マスカルポーネチーズのクリーム、ココアパウダーが織りなすハーモニーが絶妙。
私がローマのカフェで食べたティラミスは、日本のものより甘さ控えめで、エスプレッソの苦味がしっかり感じられました。「甘さとほろ苦さのバランスって、こういうことか!」と、感動したのを覚えています。
おすすめの紅茶ペアリング
ティラミスのコクを引き立てるなら、アッサムティーがぴったり。ミルクを入れて、カフェのような気分を味わうのも良いですね。
2. イタリアの夏には欠かせない定番スイーツ ジェラート
ジェラートは、日本のアイスクリームと比べると乳脂肪分が少なく、軽やかな口当たりが特徴。私がフィレンツェで食べたジェラートは、ピスタチオが濃厚で、口の中でナッツの香ばしさが広がる絶品でした。イタリアでは、街歩きをしながらジェラートを食べるのが定番の楽しみ方です。
おすすめの紅茶ペアリング
フルーツ系のジェラートには、アイスティーにしたセイロンティーが爽やかさをプラス。ナッツ系なら、香ばしいダージリンが相性抜群です。
3. シチリア発祥のサクサク食感のカンノーロ
カンノーロは、シチリアの伝統菓子で、サクサクの筒状の生地に甘いリコッタチーズクリームを詰めたお菓子です。お店によっては、ピスタチオやオレンジピールをトッピングしていて、食感のアクセントが楽しい。
私がシチリアで食べたカンノーロは、生地がカリカリで、リコッタの濃厚なクリームと相まって、口の中が幸せでいっぱいになりました。
おすすめの紅茶ペアリング
カンノーロのクリーミーさには、柑橘の香りが華やかなアールグレイがよく合います。
4. シンプルだからこそ奥深いパンナコッタ
パンナコッタは、北イタリア生まれのデザートで、名前の意味は「煮たクリーム」。ゼラチンで固めたシンプルなスイーツですが、口に入れるとふわっと溶けるような食感が魅力です。
私がミラノで食べたパンナコッタは、バニラの香りが際立っていて、甘さ控えめ。ベリーのソースが爽やかで、軽い口当たりでした。
おすすめの紅茶ペアリング
パンナコッタのまろやかさには、スッキリとしたセイロンティーが合います。
まとめ
イタリアのスイーツには、それぞれの地域の風土や文化が色濃く反映されています。カフェでエスプレッソと一緒に楽しむティラミス、街歩きをしながら食べるジェラート、家庭で手作りする素朴な焼き菓子——どれもその土地ならではの楽しみ方があります。
そして、スイーツと紅茶のペアリングも、楽しみ方のひとつ。日本でも手に入るイタリア菓子を、ぜひお気に入りの紅茶と一緒に味わってみてください。