フランスの伝統菓子巡り

フランスの伝統菓子巡り

フランスには地方ごとに異なる魅力的なお菓子がたくさんありますが、実際に現地で食べてみると、日本で食べるのとはまた違った感動があります。紅茶好きとしては、どのように合わせるのが良いのかも気になるところ。そんな視点も交えながら、フランスの伝統菓子についてお届けします。

フランス菓子の歴史と魅力

フランスのお菓子には、歴史と文化が深く関わっています。16世紀、イタリアのカトリーヌ・ド・メディシスがフランスに嫁いだ際、イタリアの菓子職人たちを連れてきたことで、フランス菓子が大きく発展しました。その後、修道院で作られていたお菓子や、王宮で生まれた贅沢なスイーツが庶民にも広がり、今のような多彩なお菓子文化が形成されました。
フランスに行くたびに思うのですが、現地のパティスリー(ケーキ屋さん)には、伝統を守りつつも斬新なアレンジを加えたスイーツが並んでいます。古典的なカヌレも、最近では抹茶やフランボワーズ風味のものが登場していたり。歴史を大切にしながらも、新しい挑戦を続けているのがフランス菓子の魅力ですね。

フランスの代表的な伝統菓子

1. 見た目も華やかな一口スイーツ マカロン(Macaron)

フランス菓子といえば、まず思い浮かぶのが「マカロン」。外はサクッと、中はしっとりとした食感が魅力です。有名なのは、パリのラデュレやピエール・エルメ。どちらも味のバリエーションが豊富で、特にピエール・エルメの「イスパハン(ローズ×ライチ×フランボワーズ)」は、一度食べたら忘れられない香りのハーモニーです。

おすすめペアリング

マカロンの甘さには、渋みのあるダージリンセカンドフラッシュがおすすめ。チョコレート系のマカロンには、コクのあるアッサムも合います。

2. ボルドー地方の修道院発祥のカヌレ(Canelé)

カリッとキャラメリゼされた表面と、しっとりもっちりとした中身のコントラストがクセになるカヌレ。もともとは、ワイン造りの過程で余った卵黄を活用するために考案されたそうです。日本のカフェでもよく見かけるようになりましたが、やっぱり本場で食べると違う!バターの風味やラム酒の香りがしっかり感じられます。

おすすめペアリング

カヌレの芳醇な風味には、バニラの香りと相性の良いアールグレイがぴったり。温かい紅茶でゆっくりと楽しむのがおすすめです。

3.ブルターニュ地方発祥のバターたっぷりのクイニー・アマン(Kouign-amann)

「バターの魔法」なんて言いたくなるほど、濃厚な風味が特徴のクイニー・アマン。折りパイ生地にバターと砂糖を何層にも折り込み、焼き上げることで表面はキャラメリゼされ、パリパリの食感に仕上がります。実は、カロリーがすごいことで有名なお菓子ですが、一度食べると止まらない魅力があります!

おすすめペアリング

バターのコクには、スモーキーなラプサンスーチョンが意外と合います。クセがあると思われがちですが、甘いお菓子と合わせると、意外なマリアージュを楽しめますよ。

4. フランスのカフェで定番のエクレア(Éclair)

細長いシュー生地にたっぷりのクリームを詰め、上からフォンダンをかけたエクレアは、フランスのパティスリーやカフェには必ずある定番スイーツ。昔ながらのチョコレートやバニラ味に加え、最近はフルーツやピスタチオのエクレアも登場しています。

おすすめペアリング

濃厚なチョコレートエクレアには、ほのかな渋みのあるキーマン紅茶がぴったり。シンプルなバニラエクレアなら、フローラルなダージリンともよく合います。

5. うっかり生まれたタルト・タタン(Tarte Tatin)

タルト・タタンは、19世紀末にタタン姉妹が営んでいたホテルで生まれたと言われています。ある日、姉妹のひとりがタルトを作ろうとして、生地を敷き忘れたまま焼いてしまったとか。それをひっくり返して出したところ、意外と美味しく仕上がったことから定番になったそうです。

おすすめペアリング

キャラメリゼされたリンゴの甘酸っぱさには、フルーティーなセイロンティーがよく合います。ホイップクリームを添えて、紅茶と一緒にゆったりと味わいたいですね。

まとめ

フランスの伝統菓子は、それぞれに歴史やストーリーがあり、地域ごとの個性が光るものばかりです。実際にフランスで食べると、日本では味わえない奥深さを感じることができますが、最近は日本のパティスリーでも本格的なものが増えてきています。
そして、紅茶とのペアリングも楽しみ方のひとつ。お気に入りのスイーツにぴったりの紅茶を見つけることで、いつものおやつタイムがさらに充実します。
みなさんも、自宅でフランス菓子と紅茶のマリアージュを試してみてはいかがでしょうか?